冷え性は女性の約8割、男性では4割以上の人が、悩まされている症状です。
冷え性の原因と改善策、効果的なマッサージや筋トレ、ストレッチについて詳しく解説いたします。
冷え症になる7つの原因
冷え性の原因は大きく分けて7つあります。
- 筋肉量が少ない
- ホルモンバランスの乱れ
- ストレスの影響
- 喫煙の習慣
- 便秘による影響
- 生活習慣の乱れと生活環境
- ファッションによる影響
それぞれ詳しく解説いたします。
1筋肉量が少ない
筋肉は人体最大の熱産生器官です。さらに、筋肉が伸縮することでポンプのように血液を送り出すので、体のすみずみまで血液を循環させて体を温めます。
女性はもともと男性に比べて筋肉量が少ない為、作り出される熱量が少ない上に、ポンプの力が弱いので、体が冷えやすいということになります。体の末端まで血液が行きにくいと、特に手足が冷えやすくなるのです。
2ホルモンバランスの乱れ
女性は男性にはない月経、出産、閉経といったライフステージでの変化があり、ホルモンのバランスが乱れやすい傾向にあります。
ホルモンバランスが乱れると、体温調整をしている自律神経が影響を受けて、血液の循環が悪くなり冷え性になりやすいのです。
人によって感じ方はさまざまですが、「生理中は体が冷えやすい」「冷えにより生理痛がひどくなる」という方もいます。これは子宮や卵巣など血流の妨げとなる内臓が多い為、腹部の血流が悪くなります。また月経時に血液が減るので、熱を伝える血液が体の末端まで届きません。
その他では女性ホルモンの量がぐんと減る更年期には、冷えがひどくなるという方が多くなります。
3ストレスの影響
社会で生活していく上で、ストレスはゼロにできません。仕事や家事などに追われてイライラするかもしれませんし、夏や冬には、室内と外気温の差が極端に激しくて、それも体のストレスになります。
ストレスを感じると、誰でも自律神経のバランスが崩れやすくなります。
自律神経はリラックス状態で優位になる「副交感神経」と、緊張状態で優位となる「交感神経」の2つがバランスを保って、体の機能を調節しています。しかし、ストレス過多の状態が続くと「交感神経」優位の状態が長くなり、体は緊張しっぱなしです。
末梢血管も収縮を続けて血行不良を招き、冷えた状態を招きます。女性は生理が来ること自体がストレスと感じている方が多い為、2重の負荷がかかってきます。
4喫煙の習慣
タバコは急激に血管を収縮させてしまい、血液の流れを悪くしてしまいます。
さらに基礎代謝も低下させ、冷えに結びつきます。
5便秘による影響
腸内でぜん動運動が行われていないということで、基礎代謝も低くなります。
6活習慣の乱れと生活環境
現代人の体温は昼夜逆転の生活や朝食抜き、食事の時間がバラバラなど、生活習慣の乱れによって低下しているといわれます。
もともと体温は早朝が最低で、起床して朝食をとるとともに急激に上がり、昼過ぎから夕方までゆるやかに上昇した後、夜間に向かって下がっていくものです。
しかし乱れた生活習慣は自律神経のバランスを乱し、体温調節機能が乱れて冷え性を招きます。
また昨今では夏場はエアコンのきいた室内で冷たいものを食べ、冬場は温かい室内でゴロゴロと、体の体温調節機能を使わない生活が主流になっています。その為、もともと備わっていた体温調節機能が低下している人が増えているのです。
7ファッションによる影響
タイトな服は血管を圧迫し、血液循環を妨げます。その為、下半身は緩やかな締め付けのない服装を心がけましょう。
またファッション性が優先され、寒い日でも薄着をし、手首・足首・首といった冷えやすいポイントをカバーしていないのも冷え性を悪化させる原因になるので注意した方がよいでしょう。
冷え性の改善策
冷え性改善の第一歩は、まず自分の生活を見直すことから始めましょう。
簡単な改善策を4つご紹介いたします。
- 冷たい飲み物や食べ物を控える
- 筋肉をつける
- 入浴で体を温める
- 冷え改善策を継続する
冷え性の改善策についても、それぞれ詳しく解説いたします。
冷たい飲み物や食べ物を控える
飲み物は、必ず常温以上のものを摂ることが重要です。
寝起きや食前に、白湯をコップ1杯飲むのもおすすめ。内臓が活性化することで体が芯から温まります。
筋肉をつける
体を鍛えて筋肉量を増やすことは、冷え性改善にとても有効です。
体の中で一番大きな筋肉は「太もも」。スクワットは、太ももの前と後ろ、ふくらはぎを鍛えることができるので、「トイレに行く度にスクワット10回」など、生活の中に組み込んでおくのがおすすめです。
また、ふくらはぎは、末端の血液を心臓に戻すポンプ作用を担っています。足先が特に冷える人は、かかとの上下運動を心がけましょう。
ウォーキングなどの有酸素運動も効果的です。運動が苦手な人は買い物に行く時は歩幅を大きく早足にしたり、エレベーターやエスカレーターを減らして階段を使うなどを心がけるだけでも、筋肉を刺激できます。
入浴で体を温める
冷え性の改善には、夏場でも40〜42度のお湯で、全身つかる習慣をつけましょう。
肩までしっかり浸かり、時間は5分程度でも大丈夫です。ぬるめのお湯で30分ほどつかる半身浴も温かくて気持ち良いものですが、上半身が冷える為、冷え性改善にはおすすめできません。
短時間で、しっかり体を内臓の芯から温めて筋肉のコリをほぐし、全身の血流を促しましょう。なかなか入浴する時間のない人は、浴槽に浅くお湯をはって、足湯だけでも行うと、全身が温かくなります。
洗面所のシンクにお湯をいれて、手からひじまでをあたためる「ひじ湯」も、簡単に体を温めることができます。
冷え改善策を継続する
冷え性を解消する為に、即効性のある方法はありませんただし、生活習慣の改善で解消することは可能です。
今回ご紹介した方法のなかから、自分の生活に取り入れやすいものを試してみてください。続けていくことで、冷え性が少しずつ改善していくはずです。
冷え性改善のマッサージ・筋トレ・ストレッチ
最後に血液の循環を良くする簡単なマッサージやストレッチ、筋トレをいくつかご紹介いたします。
ご自身の体調と相談しながら無理のない範囲で行ってみてください。
冷え性改善のマッサージ方法
足の指から丁寧に手で膝の辺りまでゆっくりと優しく撫で上げていきます。この際ベビーオイルなどを用意して行うとスムーズに行えます。足の指の間からしっかりと撫で上げていくと効果的です。
椅子や床に座った状態で足指と足首を揉みほぐすことで、血流を良くすることができます。まず足の指の間に手の指を差し込んでいきます。そしてゆっくりと足首をまわしていきます。ここで大切なことは痛くない範囲で大きくまわすことです。早くするよりも大きくゆっくりと円を描くようにした方が血流の改善には役立ちます。
足の血流を良くするストレッチ
血流改善の為のストレッチを5つ紹介します。
アキレス腱伸ばし
体育の時間の準備運動としてやったこともある人が多いのではないでしょうか。これはふくらはぎの筋肉であるヒラメ筋や腓腹筋を伸ばしてくれる効果があるので有効的です。
筋肉が伸びているか、つまりはふくらはぎが突っ張たような感覚があるところまで腰を落として前に出した方の足に体重を乗せてみてください。
足首まわし
立った状態で片足をつま先立ちにし、大きくゆっくりと円を描いていきます。この時足首をしっかりと意識してまわしましょう。
股関節の動きが入ると効果が低下するので気を付けましょう。
ヒラメ筋・腓腹筋伸ばし
椅子に座り、つまさきを上に向けたり下に向けたりを繰り返します。この時に膝関節や股関節が動いていないか確認しながら行います。
つま先だけが動いていること意識しながら行います。
腸骨筋・大腿四頭筋伸ばし
まず床に座り、片足がお尻に付くまで曲げます。もう片方の足は伸ばします。後方に両肘を付きゆっくりと後ろに倒れるようにします。
負荷は肘で調整します。ストレッチを重ねて腱や筋肉が伸びてきたら少しづつ負荷をかけて徐々に後ろに倒れ、最終的には片足を曲げたままで寝ころべるようなる状態を目指していきましょう。
くれぐれも太ももや腰の痛みを我慢しないようにしましょう。
冷え性改善の筋トレメニュー
血行を押し進める役割を持つのが筋肉。筋肉がきちんと働かないと、血流が滞ってしまいます。
冷え性の改善にあたっては、「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎの筋肉が特に重要です。ふくらはぎの筋肉には、「ミルキングアクション」または「筋のポンプ作用」という血液の循環機能があります。この機能が衰えていると、下半身に溜まっている血液が心臓に戻りにくくなるので、下半身や足先が冷えやすくなります。その為、冷えを改善するためには、ふくらはぎを中心としたエクササイズがおすすめです。
筋トレをする際は痛みに細心の注意をはらって行って下さい。関節の痛みがあるときは無理しないようにしましょう。また筋トレを行う際には息を止めず、鼻から吸って口から息を大きく吐き出すようにしましょう。深呼吸が血液循環をよりよくしてくれます。
貧乏ゆすり
貧乏ゆすりは座って簡単に出来る運動なのでここから始めてみるのもよいでしょう。
かかと上げ
立った状態で椅子やタンスなどの家具を持ち、かかとを上げ下げします。
この時のポイントは上げ下げを早くせず上げるときも下げるときもゆっくりとすることです。そうすることで長時間筋肉に負荷がかかるため効果が出やすいです。1セット30回を目安に1日に3セット行うと効果的です。
ふくらはぎがだるくなるようだったらそれはしっかりと筋肉が使えている証拠なので目安にすると良いでしょう。
ストレートレッグライジング
仰向けになり、片膝を立てます。もう片方の足をまっすぐ伸ばした状態で10cmほど上げます。
10秒経ったらゆっくりと下します。ここでもどれだけゆっくりと上げ下げするかで効果が違ってきます。
1セット10回あたりを目安になるべくゆっくりと行いましょう。
お尻上げ
仰向けになり両膝を立てます。お尻を床から10cm程度浮かせ、10秒数え、ゆっくりと下します。この際の注意点はお尻を上げ過ぎないことです。
お尻を上げ過ぎてしまうと腰の筋肉を使っていることになるのでお尻だけあげて腰はしっかりと床につけたままにすることを心がけてください。1回10回を1セットとして1日2セットを目安に行っていきましょう。
膝伸ばし
仰向けになり、両膝を立てます。片方の足をまっすぐに宙に浮かせます。
浮かせたら膝のみを曲げたり伸ばしたりを繰り返します。股関節が一緒に動いていると効果が半減しますので股関節が動いてないか注意しながら行って下さい。1セット10回として1日2セット行ってみると良いでしょう。
スクワット
まっすぐに立ち、肩幅程度に足を開き、ゆっくりと膝を曲げて腰を落としていきます。この際なるべくかがんだ姿勢にならないように注意してください。また曲げたときの膝がつま先より前に出ていることを確認しながら行うと効果的です。
このスクワットもどれだけゆっくりできるかがカギとなってきます。1セット10回として1日に2セットを目安に行って下さい。
冷え性対策のまとめ
最後に冷え性改善のポイントをまとめました。
- 朝コップ一1杯の白湯を飲む
- 下半身のマッサージ、筋トレやストレッチを行う
- 湯船に毎日浸かり、自律神経を整える
- 喫煙を控える
- タイトな服を控え、首、手首、足首を温めるような服装を心がける
- 冷え性の改善対策は継続して行う
これらのことに気を付けて生活を送ることで、冷え性も改善されるはずです。